2007年8月22日水曜日

特命係長・只野仁

柳沢きみおの「特命係長・只野仁」

大手広告代理店に勤める「只野仁」は、普段は仕事のできない窓際族だが、裏では会長の特命を受けて社内外のトラブルを解決するスーパーサラリーマン。そんな彼の活躍を描いたお話です。

オヤジ御用達の週刊誌「週刊現代」で連載されてたのもあってか、設定もストーリーもオヤジ受けしそうなものになってます。登場人物はもれなく、理不尽な上司や家のローンや子供の教育費や妻の小言に悩んでるベタなリーマン。「はああ……」とため息をつく姿は読者の共感を得やすいのでしょうか。そして、主人公である只野の特技はなんと「空手とセックス」であり、特命実行中は空手を駆使して相手を蹴散らし、夜は夜で若い女性と体だけの関係を持っているという、オヤジの憧れるオヤジとでも言うか「ステレオタイプ」って言葉が適切かな。今どきセックスに価値を感じてるのはオヤジだけだと思うのです。でもオヤジ受けはしそうな設定ですね。

それに、只野のポリシーは「どんな理由があっても男は女に手をあげてはならない」だそうで、女性に暴力を振るう男性を見ると容赦なく制裁を加えます。これもまたオヤジ受けしそうなキャラだよなあ。

僕はもちろん暴力は大嫌いで、いかなる理由があろうとも暴力を振るう人間は最低だと思ってます。だから、ことさら「女に手をあげる男」だけを否定するこの言い方には賛同できない。逆に「男に手をあげる女」も最低であるのだし「男に手をあげる男」も「女に手をあげる女」もまた最低だと思う。要するに暴力はすべて最低であって男女は関係ないのであり、「男も女も関係なく、人に手をあげる人が最低」と言いたいのですよ。であるからして「女に手をあげる男は最低」という言い回しはおかしい。と、こういう小理屈はまたオヤジの忌み嫌うところなんでしょうかね。って、さっきからオヤジをバカにしてる気がしてならないが、まあ否定はしません。はっきり言ってオヤジは嫌いだ。と、35歳のオヤジが熱く語ってみる。

おっと、何だか脱線した上に、漫画そのものの否定みたいになってしまった。ほかにも、登場する女性はなぜか只野に惚れるとか、只野も只野であっさり夜を共に過ごしてるとか、まだまだ突っ込みどころは多いけれども、それも本作への愛のなせるワザ。そう、これらのご都合主義なワンパターンさが本作の魅力なんです。いい意味で決して期待を裏切らない、吉本新喜劇的で面白い漫画だと思います。