加瀬あつしのジゴロ次五郎(全22巻)
車好きの高校生、石川次五郎が中古車店で出会ったS13シルビアは、じつは意思を持って走る伝説の妖車だった……というお話。次五郎とシルビアのコンビが、さまざまなライバルとの対決を経て成長していく様が描かれています。運とハッタリだけだった前作のヤザワとは違うところですね。
登場人物は車好きだけにほとんどヤンキーです。2ch風に言うとそのままDQNでしょうか。言うまでもなく僕はこういった類の方々が嫌いで、最近では「車好きの人」にすら拒否反応を示してしまうぐらいです。僕の勝手な偏見なんだろうけど、車好きの人って、車を改造して爆音出して走って、頭を汚い金髪に染めてて、くわえタバコで座席を極端に後ろに倒して運転して、夏は海や川へ出かけてバーベキューして、自分の携帯アドレスを「○○(彼女の名前)Love.ezweb.ne.jp」にしてて、早々と結婚して子供にDQNネームを付けるイメージがある。今どきそんなステレオタイプなDQNも少ないでしょうが、ようするに何を言いたいかと申しますと、そんな「車好きの人が嫌い」な自分でも普通に楽しく読めるのが本作なのです。さすが加瀬先生。
そう、「ジゴロ次五郎」は、僕の敬愛する加瀬先生の作品。作者のギャグは自分のツボにぴったりなうえ、言葉遊びを利かせたせりふ回しも秀逸で、テンポよく読ませてそして笑わせてくださいます。ちなみに、加瀬先生はデスノートならぬ「ゲスノート」というネタ帳に思いついた下ネタをストックしてるそうです。
おっと、本作の紹介からはずれました。作中では、次五郎の兄の石川九州男(くすお)が最強キャラとして描かれてます。理不尽かつバイオレンスな暴君ぶりがいい味を出してて、主人公である次五郎よりも存在感を放ってるかも。市長選の話はおもしろすぎて笑い死ぬかと思いました。あとは、カリーとジュンコのエピソードも好きだな。あれは泣ける。
作者は、新たに登場する人物のキレっぷりを描くのが上手です。加磨呂の岡田や赫愚夜姫の藤田、デビルアイの能力を持つ加納洋介など、やばいヤンキーのぶっとび具合を描かせたらうまいんだよねぇ。加瀬漫画風に言うと「キ、キレてやがる!」でしょうか。これは前作のカメレオンにも同じことが言えます。
それにしても、マガジンに連載してた「ゼロセン」が終わってしまい、加瀬先生の新作を読めなくなってるのが寂しい。というわけで、ネットカフェでジゴロ次五郎とカメレオンを再読する夏休み。何回読んでも飽きないおもしろさはさすがです。