2012年3月20日火曜日

誤解を恐れずに言えば

最近よく見聞きする言葉に「誤解を恐れずに言えば」があります。用法としては「誤解を恐れずに言えば、君はもっと仕事の手を抜くべきだ」のように、誤解されそうな言い回しの頭に付けるのが一般的なんだろうけど、僕は好きじゃない。誤解された場合の予防線を張ってるだけに見えるので。

発信側とすれば、誤解されないよう言葉を選ぶべきであるのに、「誤解を恐れずに言えば、って先に言ってるんだから、もし誤解したとしたらあなたの理解力が足りないんですよ」と相手に非をなすりつけてるように聞こえる。あるいは「誤解を恐れずに言えば、って先に言ってるんだから、私が何を言っても怒らないでくださいよ」と、反論を封殺してるようにも見えます。どちらにしても、なんとなく逃げを打ってるみたいで好きになれません。

あ、ということは。言いにくいことや堂々と主張できないことであれば、頭に「誤解を恐れずに言えば」を付ければオブラートに包めるとも言える。そう考えると逆に便利な言葉かもしれない。

例えば「あー、連休終わったか。明日からまた仕事で憂鬱すぎる」だと、あまりやる気のないリーマンだけれども、「誤解を恐れずに言えば、明日からの仕事が憂鬱だ」だと、なんとなく意味深に聞こえませんか。うん、聞こえないな。この例えは無理があった。

「誤解を恐れずに言えば、25歳を過ぎた女性に価値は無い」だとどうでしょう。「25歳を過ぎた女性に価値は無い」だけだと猛反発されそうな発言ですが、頭に「誤解を恐れずに言えば」を付ければ少しはやわらかくなりませんかね。そうでもないか。うーん、いい例えが浮かばないぞ。

とにもかくにも、「誤解を恐れずに言えば」は便利な万能ワードということがわかったので、今後は僕も使ってみようかな。日本人として、言葉とは上手に付き合いたいものです。

ところで、僕は毎晩左手を酷使してるのですけども、誤解を恐れずに言えば、行為後は手を洗いません。誤解を恐れずに言えば、自分の手ですから汚くないのであり、誤解を恐れずに言えば、その手で普通にお菓子とか食べてますし。いやあ、「誤解を恐れずに言えば」って良い言葉ですね。

ちなみに、誤解を恐れずに言えば、僕の部屋はマンションの五階ではありません。

誤解を恐れずに言えば、今のはおやじギャグであり、誤解を恐れずに言えば、こんなくだらない日記を読まされる読者様には同情の念を禁じ得ません。誤解を恐れずに言えば、今後ともご愛読よろしくお願いします。